LaTeX tcolorbox パッケージ 利用ガイド

(1) パッケージの導入

tcolorbox は現在の主要なLaTeX環境(LuaLaTeXやTeX Liveなど)には最初から標準で含まれているため、追加のインストール作業は不要です。ソースコードのプリアンブル(\begin{document} の前)に以下のように記述して読み込みます。

\usepackage{tcolorbox}

⚠️ 読み込み順序の重要性

他のパッケージ(特に xcoloremathketpic など)を併用している場合、記述する場所に注意が必要です。


(2) パッケージの特徴


(3) tcolorbox 環境 と \tcbox コマンド の違いとサンプル

tcolorbox パッケージには、用途に合わせて使い分ける 「環境(Environment)」「コマンド(Command)」 の2つの形が用意されています。

tcolorbox(環境)

\begin{tcolorbox}[colback=blue!5, colframe=blue!50, title=定理の解説, arc=2mm]
    ここには複数行にわたる長い文章を入れることができます。\\\\
    自動的に端で折り返されます。
    \begin{equation*}
        A = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\\\ 1 & 1 \end{pmatrix}
    \end{equation*}
\end{tcolorbox}

\tcbox(コマンド)

これは \tcbox[colback=red!10, colframe=red!50, arc=1mm]{重要キーワード} です。

(4) オプションの指定方法(外観のカスタマイズ)

tcolorbox 環境や \tcbox コマンドでは、後ろに続く大括弧 [...] の中にカンマ , 区切りで命令(オプション)を記述することで、見た目を自由自在に調整できます。

主なオプション一覧


(5) 使用上の注意点と設定の限界(重要)

\tcbox コマンドで中身を空にしてサイズ固定する際の制約

「中身を空欄にしたまま、自由なサイズ(横幅・縦幅)の箱を作りたい」という場合、記述がシンプルな \tcbox{} を使いたくなりますが、ここには強い制約(罠)があります。

◯ 結論:自由なサイズ指定(空欄ボックス)には tcolorbox 環境がベスト

中身を空欄にしてミリ単位で完全にサイズをコントロールしたいときは、制約のきつい \tcbox を無理に使わず、環境版の tcolorbox を使用するのが最も安定しており、確実な正解です。

環境版であれば自動伸縮の邪魔が入らないため、指定した widthheight がストレートに反映されます。

厳密なサイズ固定の最終正解コード

外枠のサイズをミリ単位で厳密に守るためには、箱本来が持つ文字用の内側余白(マージン)を top=0mm, bottom=0mm, left=0mm, right=0mm で完全にクリアしてあげるのが綺麗に仕上げるコツです。

1. 横長ボックス(横25mm × 縦6mm、角の丸み2mm)

\begin{tcolorbox}[width=25mm, height=6mm, arc=2mm, boxrule=1pt, top=0mm, bottom=0mm, left=0mm, right=0mm]
\end{tcolorbox}

2. 縦長ボックス(横7mm × 縦18mm、角の丸み2.5mm)

\begin{tcolorbox}[width=7mm, height=18mm, arc=2.5mm, boxrule=1pt, top=0mm, bottom=0mm, left=0mm, right=0mm]
\end{tcolorbox}

3. 使用例 (ketlayer環境を利用)

\begin{layer}{100}{0}
\putnotec{89.5}{8.5}{\begin{tcolorbox}[width=25mm,height=6mm,arc=2mm,boxrule=1pt]\end{tcolorbox}}%長方形
\putnotesw{105}{5}{$A=\left(\begin{array}{rrr}
a_{11}&a_{12}&a_{13}\\\\ a_{21}&a_{22}&a_{23}\end{array}\right)$}%行列
\putnotec{86.3}{29}{\begin{tcolorbox}[width=7mm,height=18mm,arc=2.5mm,boxrule=1pt]\end{tcolorbox}}%長方形
\putnotesw{102}{20}{$^tA=\left(\begin{array}{rrr}
a_{11}&a_{21}\\\\ a_{12}& a_{22}\\\\ a_{13}&a_{23}\end{array}\right)$}%行列
\end{layer}\par

(使用例:行列に tcolorbox を使う)

tcolorbox での行列表示例(画像)